偽装婚約~秘密の契約~





『………おはようございます、沙羅様』


目覚ましが鳴るより早く目覚めたあたしはベットに寝転がったまま、ぼーっとしていた。

すると瑞季さんが現れて。



「おはようございます」


仕方なく、体を起こす。



『朝食の準備ができております。』


「分かりました」


ベットから降りて伸びをすると制服に着替え、自分の部屋を出る。


リビングには朝食のいい匂いが漂っていた。

これは毎朝のこと。


ただ1つ。

いつもと違うことがあった。



「……あれ?晴弥は?」


いつもなら、2人分用意されているのにテーブルにはあたしの分しかなかった。



『沙羅様が起きる1時間ほど前に出発されました』


「そう…ですか」


見送るつもりだったワケじゃない。

ただ、一言


『いってきます』


そう言ってほしかっただけ。



それを望むことは…

贅沢…ですか…?









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