偽装婚約~秘密の契約~






『世界の遊馬の時期後継者の妻になるってことはどういうことか分かってんだろうな?』


あたしは涙を拭うと


「もちろん!」

と、笑顔で答えてやった。



『今度、家出なんてしたら絶対許さねぇーからな』


「分かってるよ」


そう答えたあたしを晴弥があまりにも優しい表情で見つめるから。



恥ずかしくなってあたしから晴弥に抱きついた。

あ…でもこの行動のほうが恥ずかしいかも。


そう思っていると今までずっとあたしたちのやりとりを見守っていた人たちから割れんばかりの拍手と歓声が起こった。


冷やかす声も、

口笛の音のなんかも含まれている。


これじゃあまるでドラマか漫画の一部だ。

でも、悪い気はしない。


顔をあげると晴弥と目が合って。


あたしたちはたくさんの人に見守られながら


偽装婚約の相手としてではなく、


晴弥の恋人として、


初めて







キスを交わした…
















【END】

→あとがき










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