オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~




「行くぞ」




低い声で言われて、反射的にあたしは立ち上がる。

手首から手が離れて、藤岡くんが歩き出すからあたしはちょっと残念がりながらも後についていった。




「藤岡くん……篁くんは?」

「置いてけ」

「え、でも」




あたしが言いかけた瞬間、藤岡くんの足がぴたりと止まる。

そして首だけ振り返ってあたしを見た。




「いいから来い。予鈴鳴る」




それだけ言うと前をむいて、また歩き出した。

有無を言わせない口調におとなしくついていく。




藤岡くんが扉を開けて、あたしを先に通してくれた。

そして、少しむこうで篁くんの声が聞こえた時、後ろ手でその扉は閉じられた。




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