オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
口をふさぐ藤岡くんの手をぺしぺしと叩き呼ぶ。
藤岡くんがこっちを向いて、あたしはあの箱を指差した。
「あぁ……忘れてた」
そうつぶやいて藤岡くんがあたしの口から手を離して、箱をあたしの目の前に置いた。
「え? なに?」
「開けてみろよ」
藤岡くんがそう言うから、あたしは箱に結ばれたリボンをほどいて開けて、中身を覗く。
「え……」
キレイに塗られた白いクリーム。
所狭しと乗ったイチゴ。
ふわっと独特な甘いにおいが鼻をくすぐる。
小さなホールのショートケーキが、そこにはあった。