オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
「……ありがとう、ございます」
ひとこと、小さな声でつぶやいて、恥ずかしそうに目をそらす。
篁さんは笑って金色の頭を撫でた。
一瞬目を見開いた後、その手をはらう。
藤岡くんのその行動は、照れ隠しにも見えた。
「敬語じゃなくていーよ。名前なに?」
楽しそうに笑いながら聞くと、藤岡くんは
「藤岡」
とだけ名乗った。
だけど、名前は言わなかったことなんて気にしないくらいに篁さんは楽しそう。
「ふぅん、藤岡くん」
「あんたは」
「俺? 俺はおーじ」
篁さんは、初対面で名乗るとき、自分を『櫻爾』と言うようにしているらしい。
相手の反応が面白いそうだ。
そして、藤岡くんはその期待を裏切ることなく、
「……はぁ?」
と、篁さんを嫌そうに見つめた。