トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜

それからあたしたちは

しばらく黙ったまま、歩いていた―…。



こうやってまた
優と肩を並べて歩けることが、こんなにも嬉しいなんて―…。



あたしは、優の顔をそっと見上げると。


月明かりに照らされたその横顔は、彫りが深く、見とれてしまうくらいにとても綺麗で。

胸がキュッと締め付けられてしまう。



そんなあたしの視線に気付いたのか


「…ん?」

と、優の視線はこちらに向けられて…。

視線がぶつかったその瞬間…

ドキンッと大きく心臓が揺れてしまった。



「…うっううん!なんでもないっ!」

咄嗟に視線を反らすと。



「なんだよ〜?
慌てたりして、怪しいやつ〜!」

なんて、茶化された。




『その横顔に見とれてました…』

なんて…、

絶対に言えるわけがない!!




「ほんと、なんでもないってばっ!」


「ますます気になるじゃん。
なんだよ〜?」

優は、肘であたしの腕をつついてくる。



「いーのいーのっ!

あっ!!
あそこのベンチに座ろーよ!?ねっ?」


あたしはたまたま視界に入ったベンチを目指して、勢いよく歩き進む。



「おいっ、待てって!」

そんなあたしの後をついて来る優。





.
< 61 / 337 >

この作品をシェア

pagetop