トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜
「俺のあの頃の夢はさ…」
俺には
叶えたかった夢があったんだ―…。
「優の…夢?」
「絶対、笑うなよ…?」
平凡な夢で、笑われそうだもんな…。
「笑わないよ」
俺は、なんだか照れ臭くて、美衣から視線を反らすと。
「俺の夢は…
美衣が大学を卒業したら…
美衣と結婚して…
ふたりで温かい家庭を築くことだったんだよね…」
そう…。
それが俺の叶えたかった
唯一の夢――…。
「…え?」
美衣は俺を見ながら、固まったように驚いている。
「…あの頃の俺はさ、
美衣がすべてだったんだ…。
だから俺は夢の実現のために…
就職の道を選んだ。
少しでも早く
金を貯めたかったから…。
俺って単純だろ?」
そんな自分に恥ずかしくなって、鼻で笑った。
すると
となりから啜り泣く声が聞こえてきて。
「―………っ」
―――…!?
「…みっ、美衣…!?
…泣いてんのか…!?」
美衣の顔を覗き込むと
その大きな瞳からは涙が溢れ出し、頬を濡らしている…。
「泣くなって…」
俺は慌てて、美衣の頬を伝う涙を拭った。
「だってぇ〜…っ…」
こんな風に泣いてくれる美衣が、愛おしくてたまらない…。
「ごめんな、こんな話なんかして…」
「ううん、大丈夫…。
だから話の続き…聞かせて…?」
美衣は自分の涙を拭うと
再び俺を見上げた―…。
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