スタンド・アローン
 家に帰ってガイドを読み直したら、通学義務のこともばっちり書いてあった。

 しかも、目立つように太枠で囲んであったりする。

 学校に慣れるためらしいが、その後全く登校しないんなら無意味だろうに。

 一応、北辰で着てた学ラン持って来てあるし、初日くらい正装で行くか。

 しかし、今5月だしなあ。今年は暑くなるらしいし、汗かきそうだな。

 などと思いながら荷物を開けていると、机に放り出していた携帯が鳴った。親父だ。

「もしもしお父ん、どないしたん?」

 家族と話す時は関西弁。人前で気取ってるわけじゃないが、遠慮しなくてすむのはいいやね。

「おお津也、仕事早う終りそうなんや。晩飯一緒にどうや」
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