スタンド・アローン
 振り向くと、紺のブレザーを着た生徒がいた。俺と同じ黒髪だが、シャギーがかかっているところがいかにも女子だ。

 なんでも海淵には制服が何種類かあり、生徒が自由に選べるらしい。もちろん女子の話。

「ああ望月会長、こちらは転校生の中嶋深也さんです」

 神逆が俺を指して言うと、望月と呼ばれた生徒はポンと手を打つ。

「はいはい、そういえば男子がくるって話だったね。忘れてた」

 言ってこちらに向きなおる。

「初めまして、海淵学院生徒会長の望月晶です。何か困ったことがあったら相談してね」」

 人懐っこい笑顔が、どことなく幼さを感じさせる。

 少なくとも、四面楚歌にはならなそうだ。

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