労働の価値 その2
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「役に立った労働」と、
いつも、
あわせて考えられるのが、
その物を使ったらどうなるか、
使った「かい」があったか、
ということだ。

上着と布では、
違った種類の「使う価値」だ。

だから、
それを「そこにあるようにする」、
生みだす労働も、
種類は、
違ってくるのである。

布を「縫いあわせる」ことと、
糸を「織りあげる」こと、
なのである。

もしこうした労働が、
「種類が違っていなかった」なら…。

そのときは、
このふたつは、
「商品として」、
向きあって立つことは、
なかっただろう。

労働の種類が同じなら、
布は、
布という名の「上着」である。

あるいは、
上着は、
上着という名の「布」である。

そして、
上着は、
布という名の「上着」とは、
交換されることはないのである。

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