先生がくれたもの~運命に導かれて~
ちょうどそんなやりきれない思いに苛まれているだった。
プルルルルルルー
その音でオレの神経はプツッと切れた。
オレは立ち上がりガチャッと音を発て受話器を取り上げる。
「はい。第」
「小西君かね?」
声の主はオレの言葉を遮りそう言った。
「院長先生?」
「あぁそうだよ。突然で悪いのだけど話があるから至急私の所に来てくれないか?」
「あ、はい。分かりました。すぐに行きます。」
オレは電話を切り、軽く舌打ちしながら医務室を後にする。
途中で投げ出された手術の準備が、院長の所に行くオレを止めるかのような空気を醸し出している。