先生がくれたもの~運命に導かれて~
その部屋にはベッドしかなかった。
瑠璃はいない。
それどころか、瑠璃の荷物も、瑠璃の好きだった百合の花も、全て、全てなくなっていた。
何が起こったのか見当もつかなかった。
「小西先生?」
宮森小百合だった。
「宮森さん!あの、」
「小西先生もやっちゃったみたいですね。」
「やっちゃったって何を?」
「ほら、昨日まで瑠璃ちゃんがここの部屋使ってたじゃないですか?あたし、瑠璃ちゃんの検査の時間につい癖でこの部屋に来てしまって、」
「すいません。」
「どうかしましたか?」
「“昨日まで瑠璃ちゃんが”ってどういう意味ですか?」
「え?」
「だって瑠璃ちゃんは、」
「小西先生、少しお休みされた方が良くないですか?よく思い出して下さいよ。あたしだって本当は我慢出来ないくらい許せないんですから。」
「?」
「もしかしてご存知ないとか?」
「だから何がです!」
「瑠璃ちゃん、昨日退院されたんですよ。」