短い夏休み
「いつもそんなに怒ってないけど?」

まだ眠たそうだが話はちゃんと聞いているらしい。

「あーぁ、どっかの誰かさんが携帯電話を携帯してくれてなかったせいで多少寝不足」

明らかにわざと大きなあくびをした

私はそれを見て見ぬフリをした

「私、他の所に行って起こしに行かなきゃー」

部屋から出ようとすると樹が私を呼び止めた

「奈緒。今日は1人で帰るなよ?今日は絶対送ってくからな。」

寝間着姿のままの樹が少しかっこつけて言った

私は思わず笑ってしまった

「ご心配なく!将太の誤解もさっき解けたから、今日は将太と帰りますよ」

そして私は今さっき起きた出来事を樹に話した

「え!?あいつ、悩みすぎて朝早起きしたの?意味わかんない!!!」

そう言いながら樹は大笑いをしていた

私も笑いをこらえながら話す

「さっきの将太の顔がねー」

はなしている最中、ふと樹の部屋に掛けてあった時計が目に入った

時計の針を見るとびっくりするほどの時刻を指している

「やばい!話しすぎた!!!」

樹も時計を見るとびっくりしていた

「話の続きはまた後で!」

私は大急ぎで樹の家を出た
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