恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜


「莉央、いいこと教えてやろうか?実は教師の死角って、前の方の席なんだぞ?」


「え??そうなんですか??」



嘘でしょ?

後ろの席の方が、先生との距離が遠いし、目立たないんじゃないの??



すると渡先生は、嬉しそうに話し始めた。


「先生は、みんなに自分の話が聞こえるように、できるだけ後ろに向かって話すんだよな。前の方は話が聞こえるし、わざわざ前に集中しないってわけ。」


「へぇ~~」


「『へぇ~~』、じゃないだろ?つまり、莉央の携帯いじりも俺には目立って見えるわけ。他の授業でもメールやってんじゃないだろうな?」



ギクッ!


渡先生にバレているということは…、つまり…、、、

他の先生にもバレているってこと???



私があからさまに図星という表情をしてしまったので、渡先生もやれやれという表情になった。



「このままじゃ、いつか携帯没収されるぞ。せめて俺の授業だけにしとけよ。」


「へ…?」



渡先生の授業、だけ…?


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