恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜


テスト期間に入り、部活規制が敷かれ、クラスのみんなは放課後になるとすぐに帰って行った。




渡先生、遅いな…。


放課後、待っとけって言われたから、こうして待ってるのに…。

もう、6限終って1時間は経つよ。



私は一人教室で英語の宿題をしながら先生を待っていた。





「おう、都築!悪い悪い!かなり待たせたな!」


放課後になって1時間半。

やっと教室に渡先生が現れた。



「先生!遅いですよ。」


私はふくれっ面になりながら視線を英語のノートから渡先生に移した。


「緊急の職員会議入ってな、抜け出せなくて。…おっ!英語の勉強か。数学もちゃんと勉強しろよ。…ほら。」



そう言って先生は、私の机に無造作にホッチキスで止められた紙の束を置いた。


「これ…」


私はその紙の束を手に取った。


< 71 / 514 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop