恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
テスト期間に入り、部活規制が敷かれ、クラスのみんなは放課後になるとすぐに帰って行った。
渡先生、遅いな…。
放課後、待っとけって言われたから、こうして待ってるのに…。
もう、6限終って1時間は経つよ。
私は一人教室で英語の宿題をしながら先生を待っていた。
「おう、都築!悪い悪い!かなり待たせたな!」
放課後になって1時間半。
やっと教室に渡先生が現れた。
「先生!遅いですよ。」
私はふくれっ面になりながら視線を英語のノートから渡先生に移した。
「緊急の職員会議入ってな、抜け出せなくて。…おっ!英語の勉強か。数学もちゃんと勉強しろよ。…ほら。」
そう言って先生は、私の机に無造作にホッチキスで止められた紙の束を置いた。
「これ…」
私はその紙の束を手に取った。