恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
私が入口で立ち尽くしている間に、愛はしっかり部室にお邪魔していた。
確か…
うちの高校って、
プールが無かったはず。
でもじゃあ…
なんで水泳部があるの?
「君も。好きな所に座れよ。」
背後から、先程の先生の声が聞こえた。
振り返ると、先生は缶ジュースを3本持っていた。
「はい…」
私は渋々部室の適当な椅子に座った。
「さっきはサンキューな!好きなの選んでいいぞ。」
先生は、部室の中ほどにある小さなテーブルの上に缶ジュースを並べて置いた。
オレンジジュース
コーラ
スポーツドリンク
愛は迷わずオレンジジュースを選んだ。
愛が缶の口を開けたのを確認して、私はスポーツドリンクを手に取った。