サラリーマン讃歌

「だから私の勝手な判断で、サクくん達の恋に終止符を打っちゃいけないと思ったの。それを決めるのは、クミちゃんであり、そしてサクくん自身が決めることだから」

ここまで一気に言葉を吐き出すと梓は、今までの悩んでいた苦しみから解放されたのか、スッキリした顔をしていた。

俺は梓の向かい側に座ると、何も言わず黙って彼女の話を聞いていた。

久保も何か言葉を挟むでもなく、腕組みをしたまま、ドア付近の壁にもたれかかって押し黙っていた。

「これから、この前クミちゃんから聞いた話をするね」

梓が真っ直ぐに俺の目を見てきたので、俺もその視線を受け止め、軽く頷いた。

梓はひとつ大きな深呼吸をすると静かに口を開き、その内容を話し始めた……

< 109 / 202 >

この作品をシェア

pagetop