サラリーマン讃歌
俺がたまに愚痴を漏らす時も、ただ黙って聞いて厭味にならない程度にアドバイスをくれる。

そういう面倒見がいい部分があるので、会社の後輩からはやたらと慕われていた。

当然、女にも不自由はしていなかった。外見も男の俺が云うのもなんだが、イケメンの部類に入ると思う。甘いマスクという言葉がよく似合う。

しかし、そんな彼は大の風俗好きだった。

プロの子は後腐れがなくていいんだと云うことらしいが、それにしとも結構頻繁に行っている。ほぼ毎回付き合わされる俺の身にもなってほしい。

そして今日も付き合わされる事となり、ヘトヘトになりがら家に帰り着いた。

仕事の疲れなのか、遊び疲れなのかはよく分からないが、部屋へ入るなり、ベッドの上に体を放りなげた。

(疲れた……)

最近何をしていても虚しい。心の底から笑ったことが無いような気がする。まさに無気力状態だった。

(……ああ……疲れた)

今は頭が全く働かない。思考回路を停止させたまま、そのまま夢の世界に墜ちていった。
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