双子ちゃんの探偵事務所
「い、いやっ! 忘れてなどい、いい

いないぞ! えーと…うんっ思い出し

た!」

「言ってごらん?」

「ゆくえふめーしゃなのだ!!」

漢字で発音してください。

「行方不明者?」

「あっそうそう。それ」

行方不明者? 迷子とかじゃなくて?

「迷子とかじゃなくて、だ」

「ふうん、で?」

「だーかーら! いらいしゃがきてる

から下にいくぞ!」

えっ嘘マジ?

「痛いから! 分かったから!」

アリスはオレの髪の毛を引っ張って、一

階へ連れて行こうとしたんだ。

「着替えさせてね!」

―バン―

オレはアリスを部屋から出して、扉を閉

めた。

ったく…。

依頼人って女の人かな?

オレは女の人だといいなあって思いなが

ら服を着替えた。

-10分後-

よしっ! 歯磨きしたし、顔も洗った

し、寝癖もナッシング!! 完璧!

オレは鼻歌を歌いながら、一階にある事務

所に向かった。



そう。それが始まりだとも知らずに。

あの時、アリスについてもっと調べておけ

ば、あんな事にはならなかったんだ。

あんな事件を起こす事にはならなかったんだ…。
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