僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


「おい女子! 歩くのおせぇ! ちゃっちゃと歩けっつーの!」


前方で、だいぶ距離が離れてしまった祠稀が叫ぶ。


「祠稀って、なぁんか問題児っぽいよね〜。大丈夫かな高校生活……」


小声であたしに囁く凪に思わず笑ってしまう。


「遅刻欠席とか?」

「うっわ! 絶対常習犯だよ。今のうちに言うこと聞かせるようにしとかなきゃな〜」

「ふふっ。でも、聞いてくれるかなぁ」

「祠稀ー! 今日ゲームで負けたら、あたしの言うこと聞いてよね!」

「はぁ!? 俺が負けるわけねぇだろ! おら、早く帰んぞ! 今日は寝かせねーっ」


プレステを掲げて彗と走り出す祠稀を、あたしと凪は笑顔で追いかけた。



――無性に楽しくて胸がドキドキする。


あたしたち4人は、幸せになるために集まったんだよね。


寄り添って、助け合って。たまには喧嘩して、そしたら仲直りして。そんな日々を、過ごせたらいいな。



きっと未来は、幸せで溢れてる。




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