僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


「こんっのバカが!!」


バシィン!と、祠稀の後頭部を思い切り叩く。


「いってえ! 何すんだよ凪っ」

「アンッタねぇ! いい加減にしなさいよ!?」


振り向いて頭を抑える祠稀の足下には、3年の男子生徒4人が倒れていた。


もう本当にかわいそうになるくらい、コテンパにされて。


「コイツらが先に喧嘩売ってきたんだぞ。売られた喧嘩を買って、俺は勝っただけだっつーの」

「ガラス割る必要ないでしょ!」

「だって前喧嘩売ってきた奴らが、俺のことガラスに突っ込んだじゃん」


ああ、入学してすぐ売られた喧嘩のこ、と……。


「ちょっと祠稀アンタ……はぁ……彗! ちょっと来なさい!」


教室で呑気に弁当を食べていた彗にお茶を渡す有須が微笑ましい……とか今はそんなことはどうでもいい!


「何?」とやって来た彗に詰め寄る。

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