ハピネス 〜女になった私〜



ドアの向こうにはもう二人の姿はなかった。



シーンと静まり返った廊下。



自分達で追い出したのに、すごく不安な気持ちになる。



階段を駆け下りて、舞と拓くんの部屋に向かった。



扉を開けると真っ暗な室内。



カチッと電気をつける音が虚しく響いた。



「ほんとだ・・・全然違う」


舞達の部屋は、真ん中に置かれたダブルベッドが、ほとんどのスペースを占めていて、置かれている家具も、内装も全てがシンプルだった。


旅行前、ノブくんが言っていた言葉を思い出す。



「未希が喜ぶ顔が早よ見たいわ〜」



きっと、この時期にあの部屋を取るのは難しかったはず。



仕事の関係で多少の融通がきいたとしても、ノブくんがあの部屋に決めたのは、間違いなく私の為だ。




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