ハピネス 〜女になった私〜
【7】理解

許し




2月のよく晴れた日曜の午後。



ご機嫌な音楽をかけながら、ノブくんの車はゆったりと田舎道を走る。



だんだんと見覚えのある景色が増えて、口数は減っていく。


「未希、緊張してんか?」



「ノブくん・・・ドキドキする。」



「だ〜いじょうぶ、大丈夫。」




18歳の時に家を出て以来、6年ぶりの故郷。



お母さんには、電話で今日帰る事は伝えてある。



会ってもらいたい人がいるからって・・・



楽しみに待っていると、明るい声で答えてくれたお母さん。


でも、お父さんは・・・


家を出てから1度も会っていない。



女の姿になった息子に、今更会ってくれるのだろうか?




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