ハピネス 〜女になった私〜



父に認めてもらえる日が来るなんて、思ってなかった。



ノブくんと出会ってから、私の今までの人生が嘘の様に、いろんな事がいい方向に進んでいく。



車のシートにもたれながら、前を向いて運転するノブくんに視線を送る。



本当にこんな素敵な人の奥さんになれるんだ・・・



「幸せ過ぎて後が怖いよ・・・」



「俺も。未希と結婚したら、毎日未希が家におんねやろ?俺、コーフンし過ぎて仕事出来ひんくなるんちゃうか〜?」



「もーうっ!!」



本当はちゃんと分かってるくせに。



わざと冗談にして、私の気持ちから不安な部分を取り除いてくれるんだ。



「あっ未希、ラブホあんで?こんな田舎にもあんねんなぁ?ちょっと休憩してくか?」



「ノブくんっ!!」



ハハハと笑ったノブくんが、私の顎の下をコチョコチョ撫でる。




「安心するのはまだ早いで?俺の親にも会ってもらわんと。辛い事言われるかもしれんけど、俺の事嫌いにならんとってな?未希は俺が守るから。」



そうだよね。



結婚は二人だけの問題じゃないもんね。


出来れば、みんなに認めてもらいたい。


この人を幸せにしてあげたい。



「ノブくんは、私が守る。」



どんな事があっても、何が起きても、あなたを信じて、あなたのそばを離れない。



もう二度と、自分の気持ちに嘘はつかない。




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