ハピネス 〜女になった私〜
私の腕を引いて抱きしめてくれる父の温もり。
幼い頃を思い出す、懐かしい父の匂い。
「お父さん・・・」
「理解のない父親を許して欲しい。息子でも、娘でも、自分の子供には違いない。」
初めて見る父の涙。
女になった私をまっすぐ見てくれる父の瞳。
「幸せになりなさい。いつでも帰って来なさい。自分の道を貫き通したお前を、お父さんは誇りに思ってる。」
「お父さん・・・お父さんっ」
お父さんの腕の中は、昔と変わらないまま、大きくて、温かくて、優しかった。
「未希を、幸せにしてやって下さい。」
初めて呼んでもらった名前。
私の為に、ノブくんに頭を下げてくれる父の姿。
ノブくんまでもが泣いていた。
「ありがとうございます。必ず幸せにします。」
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