ハピネス 〜女になった私〜



スタバの前・・・



ハザードを点滅させた黒い車。



どうしよ・・・



無意識に顔が強張る。



ゴクンとツバを飲み込んで、車のそばに近づいた。



すぐに窓がおろされて、笑顔のノブくんが中からドアを開けてくれた。



「お疲れ。」



前に会った時はスーツ姿で大人っぽく見えたノブくん。



今日は私服で、私の記憶より若く見える。


「お邪魔します。」



車に乗り込んてシートベルトをかける・・・


でも、手が震えて上手くできない。



「もしかして緊張してんの?」



いたずらっぽく笑ったノブくんが、私の手からシートベルトを取ると、カチッとはめてくれた。



一瞬触れた手に、ドキンと心臓が大きく反応した。



ヤバイ・・・。



「腹減ってる?すぐに飯で大丈夫?」



「はい!」



笑顔を作るのには慣れている。



それに今日は無理して笑っているわけじゃない。



緊張はしてるけど、やっぱり会えた事がすごく嬉しいんだ。



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