ハピネス 〜女になった私〜



手術を受ける資金を貯める為に、女としてキャバクラで働いた。



ニューハーフのお店もあったけど、私はキャバクラを選んだ。



化粧をして、ドレスを着て、男の人にお酒を作る。



誰も私の事を男だとは気付かなかった。



それが私の自信となり、女の子として生きている事の喜びを感じた。



作り笑いが得意になったのもこの頃からだった。




ホルモン注射と同時にカウセリングも私には必要だった。



カウセリングの先生になら、包み隠さず自分の事を話せる。


不安も恐怖も、受け止めてくれる。



親しい知り合いがいない東京での生活で、カウセリングの先生と話している時だけ本当の自分でいられる気がした。




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