乙女探偵
第一話
肌を突き刺すような北海道の雪空の下を2人は歩いていた

「寒い!!! もう~ エンスト起こすなんて最悪」

と 一人が言った

「すいません・・・ まさか こんなことになるなんて」

と 歳は20代半ばといったところか もう1人の黒髪の青年が申し訳なさそうに謝る

「安楽君 町までどれくらい?」

黒髪の青年は安楽努(あんらくつとむ)という

「正確には町ではなく村です 先生 渡した資料に目を通してくださいとあれほど言って

おいたのに・・・」

「もうっ 面倒くさい話はいいから で 後どれくらいかかるの? 

------- きゃあ!!!」

先生と呼ばれる人物は 雪に足をとられて転んでしまった

「だ 大丈夫ですか!? 気をつけてください」

「イタタタ・・・ もう 最悪!」

安楽は手を差し伸べながら 「地図によると もうすぐ着くはずです 頑張りましょう」

「なんで私がこんな目に・・・ ん? あ! ねぇ アレ村の明かりじゃない?」

先生が指差す先に 揺らぐ炎が見えた

近づいてみると 村の入り口に火が灯してある

「やっと着いた・・・」

「着きましたね 先生」

2人がほっと一息つくと

「おぉ! もしかして あなたが探偵さんですか?」

村の奥から 堀の深い中年男性が現れた

「ええ そうです 私が花里です」

先生と呼ばれる人物は 花里風香という探偵だった

「こんなところまでご苦労様です ささ すぐに宿へ参りましょう」

男に連れられて着いた宿は いかにも旅番組に出てきそうな 木造立ての古風な宿だった

が かなり大きく おそらく村で一番の宿だろう

宿の入り口には 火が灯してある

「すいませんねぇ こんな古い宿で」

「いいえ 趣があってとてもいいと思います」

花里も礼儀というものは心得ている

入ってみると 意外と中はキレイで快適だった

花里がニット帽をとると 2人を案内した男が少し驚いて

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