7月7日、逢いたくて


彼方が居なくなって
気が付けば1年の歳月が過ぎていた。


あの日、どしゃ降りの七夕以来
あたしはポッカリと穴が開いた心を埋めるように過ごしていて。

ただ、がむしゃらに星だけを追い掛けた。



でも、どんな綺麗な星空を見ても

心を埋めるどころか、広がってゆくばかり。


原因は、一目瞭然だった。



星を見上げる度
思い出すのは、優しかった彼の横顔。

瞳いっぱいに星を宿した彼の強い眼差し。


抱き締められた腕の力、繋いだ手の温もり。



数えきれないくらい口論した日々は、今は遠い思い出になってしまった。



けれど、彼の存在自体は思い出に出来なかった。


この想いも、なかった事になんて出来なくて。




だから、あたしは決めたんだ。


伝え合えなかった気持ちに、受け止められなかった彼への想いに

答えを出す為に。



あたしは、あなたの元へ。





―――彼方に会いに行くんだ。






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