泥棒インストール



それから





お兄さんに子犬を
手渡すと





セナは少々不機嫌な感じ
だったが






一礼して、私たちは





その家を出た。






「犬、良かったな」



「うん」



「お前の説明凄かったぞ。ベラベラ言って」



「あー、あれ適当」



「…え」







私がただ思いついた、嘘






噛まない犬なんか
いるわけない





体重も年齢も適当







「ははは」



「…お前、つくづく怖ぇな」



「自分の言動で人が動くなんて、素敵」



「………」








まあ、無事飼われて良かった






あそこの家族に
預けるのは




大丈夫





……なのか?







「飼われて良かった」



「ああ。ムカつくけど」



「…優しくしなよ、身内に」



「やんねーよ。あんな奴に」








私たちは夕日の出る
道を





他愛もない話をしながら






帰った。




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