世界は変わる ー俺様の愛した男ー【BL】
「彼はとても優秀だ。
おそらく………
君よりも、ね。」
「!!」
俺よりも、だと?
そんな、バカな話が……
「春休みに入る直前、校内テストがあったのを覚えているだろう?」
校長はそう言って、胸ポケットから取り出した煙草に火を点けた。
…………校内テスト。
我が校恒例の、実力テストのことだ。
年に二回行われ、成績優秀者は表彰される。
言うまでもなく、うちの学年では毎回俺がトップだ。
俺にとって、一位をとるのは当たり前。
問題は、あの難問だらけのテストでどれだけ満点に近い点数をとれるか。
「それをね、彼に解いてもらったんだよ」
ガサガサと紙が擦れるような音。
数秒後に校長のスーツの内ポケットから出てきたのは、丁寧に折り畳まれた数枚の紙だった。
目の前に置かれたその紙を、ゆっくりと開いていく。
静かな生徒会室に、その音だけが響く。
「こ、れは………」
そこには、確かについ最近解いたテストと全く同じ問題が印刷されていた。
何の変哲もない、ふつうの答案用紙だ。
ただ……………
そこに記された、三桁の点数を除いては。
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