世界は変わる ー俺様の愛した男ー【BL】
三科目すべて、満点。
この俺ですらとったことのない、完璧な点数。
「有り得ない……」
―――――これは、不正ではないのか。
馬鹿げた考えしか、頭に浮かばない。
そんな俺に、校長が更に追い討ちをかけた。
「彼は、編入テストがあることすら知らなかった。
不正などは、有り得ない」
「………………」
視界を遮る煙草の煙が、俺の判断を鈍らせる。
“天才”の二文字が、頭を掠めた。
「とにかく、」
校長が立ち上がり、俺に背を向けた。
俺は座ったまま、その後ろ姿をぼんやりと眺める。
「学習面では、何の心配もいらない」
―――――――学習面では。
その言葉がやけにひっかかったが、様々な感情が胸の内で混ざり合い、上手く言葉を発せられない。
「明日は、いつもより早めに来てこの部屋で待機していてくれ。
ここに来るようにと、彼に伝えてあるからな」
「!!……明日、ですか」
いくらなんでも、急すぎるんじゃないか。
大体、なんでわざわざ奴をここに通す必要がある?
「私たち教師より、君の方がこの学校について詳しいだろう」
「………………」
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