戦国サイダー
いやしかし新聞配達のお兄さんに喧嘩売るなんて間違ってもして欲しくなかったけど、と溜め息をつくと、ボロい我が家の屋根が見えてきた。


足が速い、もう着いちゃうんだ。



雲間から覗き出した夕焼けに照らされて、私と鬼虎は家へと帰り着いた。



「あ、もうここで下ろしてもらっていいよ。ありがとう」



裏庭に着いた時点でそう伝えたものの、無視。


歩けないわけじゃないし、外の水道で脚を洗いたかったんだけど……鬼虎は黙々と表へと回る。



「ね、ちょっとどこ行く気?」


「少しは黙っていろ」



そう言われてしまうとこれ以上口が開けない。


だっていきなり落とされても痛いし、それ以前にオーラが怖いし。



何する気ですか? と恐る恐る前方を確認したところで、鬼虎の足が止まった。


 
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