戦国サイダー
「で、思李」


「……はい?」



ウェイターが去って行ったテーブルに、真面目な顔つきの夏梅ねぇ。



え……何、まさか今まで買ってもらった分の請求か何かですか!?


あ、それともあっちか、とうとう結婚の報告とか……



「ダイが心配してたよ」


「ぶっ!」


「ちょっと、こら、水吹かない」


「ごっ……ごめん」



零したわけじゃないけれど、グラスを加えたまま吹き出した為に鼻に水がかかった。


拭きながら夏梅ねぇを見れば、呆れて溜め息。



……だって、なんでここでいきなりお兄ちゃんの話が出てくるんですか。



「まああいつには黙っててくれって頼まれたけど。そんなこと私に言う方が間違ってるし」



わかっちゃいるけど、その妙なすぱっとした性格は誰譲りなんでしょう。


てかあの馬鹿兄貴め、何を夏梅ねぇに言ったんだ。


 
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