虹のかなた〜Second Love〜(実話)
『…………!!!!!』
目の前にいたのは嫌味タラタラ部長ではなく、あたしの荒々しい態度に驚いた表情の智兄だった
『智兄!!!』
『どうしたの?そんな怖い顔しちゃって!俺麗奈ちゃんじゃないかと思ってヒヤッとしたじゃん!あ〜怖かった』
『ごめんなさい。ババァかと思ってつい…』
『ババァ??さっき階段ですれ違ったキツネ目のおばさんか?喧嘩すんなよ!それより今日来るだろ?』
『えっ……』
『卓也の命日だもんな!母ちゃん朝から料理作って待ってるぞ!多分また相撲部屋のようにテーブルに並んでるよ』
今日…20日なんだ
あたしが卓也の命日を忘れるなんて……
『も、もちろん行くよ!!』
あたしは慌てて返事をした
『まだ仕事あるのか?すぐ終わるなら待っててやるよ』
『あ…今日中にまとめなきゃいけない報告書があるから…終わったらすぐ来るね』
『そっか。分かった。先に帰ってるな』
『うん』
はぁ〜〜
あたしは大きくため息をついた
あたし最低だ
卓也の命日なのに
正樹の事で忘れてるなんて
卓也
ごめんね………