虹のかなた〜Second Love〜(実話)
泣いて腫れまくった顔をずっと智兄は撫でてくれた
『今日さぁ…麗奈ちゃんがあんまり遅いから心配で病院に迎えに行ったんだ』
智兄は溜め息混じりに重い口を開き話し始めた
『行かなきゃ良かったって後悔したよ!アイツと抱き合ってるの見ちまったからな…なんか自分でも分からないくらい腹が立ってしまってさ!麗奈ちゃんは弟の大切な彼女なのにさ!』
智兄の頬から雫が落ちるのが見えた
智兄…もしかして泣いてるの??
『あれは…違うの…だから…つまり…』
『いいよ!無理しなくても!俺…卓也に麗奈ちゃんを紹介された時からずっと麗奈ちゃんが好きだったんだろうな』
『えっ??……』
あたしの心音は最高潮にきていた
『初めは弟の彼女として妹ができたみたいで可愛くて仕方なかった。でも卓也が死んで麗奈ちゃんの必死に生きようとしている姿にいつからか守ってあげたいって思うようになってた。俺さぁ〜彼女出来ても続かねぇじゃん!理由分かったよ!麗奈ちゃんが心にいたからだろうな』
突然の告白にあたしの頭は完全に思考停止状態だった
そして
”あたしも好き”
喉まで出かけたけど智兄に伝えることは出来なかった
卓也が見てる気がしていたから