虹のかなた〜Second Love〜(実話)
〜第九章〜 卓也からの祝福
『姉貴!めっちゃ綺麗になったよね!これも智也さんの力??』
『また姉貴って呼ぶ!!!勤務中よっ!!』
『エヘッ♪忘れてた』
智也の存在があたしの全ての時間を充実させた
看護部長の嫌味すら笑顔で交わせた
その幸せは患者さん達にも伝わっていた
『高瀬さん、毎日ありがとうね!』
『いえ。仕事ですから』
いつものようにシーツ交換をしていた
『雨止んで良かったですね。虹が出てますよ!散歩してみましょうか?』
『高瀬さん、何かいい事あったのかい?』
『え?どうしてですか?』
あたしは車椅子を用意する手を止め患者さんの側に近寄った
『目の前だけじゃなく遠くを見る余裕ができたんじゃね!虹が出てても、前のあんたは気付かなかったもんな』
『。。。。。』
あたしは言葉が出てこなかった
自分から幸せになることを遠ざけていたことに気付かされた