嫌いな男 嫌いな女

肩甲骨まである茶色の髪の毛は毎日キレイに巻かれていて、それを弄りながらまたため息を零す。
長いまつげに、茶色のカラコン。けれど決して派手ではない。由美子がキレイ系なら、沙知絵はかわいい系だ。

明るい性格で、由美子と3人でいると笑ってばかりになる。

近くの男子校の彼氏がいたけれど、ちょっとしたケンカで別れて4ヶ月。

別れた頃はもう彼氏なんて! って言っていたけど。


「男なんてもういらないんじゃなかったのー?」

「だってーやっぱり彼氏がいたほうが楽しいじゃないーデートしたり、メールしたり、電話したりしてさあ」


たしかに楽しそうだよねえ。
それは正直うらやましい。……沙知絵くらいかわいかったら私も彼氏のひとりやふたり、いたのかなあー。

私は一体いつになったら彼氏ができるんだろう。全然想像できないんだけど!


「由美子の彼氏の友達とかいないの?」

「いるにはいるけど……共学の男子は嫌なんじゃなかった?」

「もう背に腹は変えられない……! ね! 美咲も出会いほしいよね!」

「欲しい! ほしいー!!」


でも。


「でも合コンはなあ……。っていうか、沙知絵のほうが出会いあるでしょ? 沙知絵の知り合い紹介して欲しい!」

「えーやだー、紹介とか面倒くさいし、知り合いとか別にいないもん。元カレでもいいの?」


……それはイヤかも。


「合コンなんでいやなのよ」

「なんか、知らない人と一緒に遊ぶっていうのが、面倒くさいというか……」

「由美子の彼氏の友達ならいけるでしょ」

「なおさらヤダ! 絶対ヤダ!」


それはもう合コンっていうレベルじゃない。
明宏くんの友達を信用していないわけじゃないけれど……巽が絡んでくるかもしれないじゃない! 絡まなくても、明宏くんの友達ってだけで巽とも絶対つながってそうだし、そんな人と付き合うとか……ありえない!
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