わがままモデル王子は甘い香り

義理兄の存在

彼女にはまだ男にたいしてまだ未練があると知っていた

いや…知ろうとして俺の持っている情報を少し与えた

彼女が男の『離婚』を知ってどう反応するか知りたかったから

彼女が刺された恐怖から、外を歩けないのは理解していた

少し一緒に生活すればそんな初歩的なことはわかる

一歩も外に出ないんだ
ちょっとした買い物だって、社長が行っているんだ

食事の買い物だってネットだ
ネットの請求書がテーブルに置いてあったから

ああ、外に出るのが怖いんだって

『離婚』を知ったら、外に出ていくのかな?
疑問が俺の心を締め付けた

やっぱ『離婚』を知った彼女は、義理兄と連絡を取り合っていた

しかも俺に隠れるように、電話なんかしてさ

苛々した

行って欲しくない
他の男のところなんかに行く彼女を俺は許したくない

苛ついている己の姿が窓に映っていた
俺の顔が母親と重なって見えた
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