わがままモデル王子は甘い香り
ああ、俺は母親と一緒だ
母親と同じ血が流れているんだ

俺は外に出られない彼女を監禁している

外に出られる良いチャンスかもしれないのに
外に出て歩けるようになったら、普通の生活が送れるようになるのに

俺はそれを食い止めようとしている

俺以外のヤツのところに行って欲しくなくて、俺は彼女の体も心も監禁している

縛り付けている

だから「出て行け」って冷たく言った

母親のようになりたくない
縛り付ける男になんかなりたくない

『監禁』
その言葉から解放されたかった

彼女の腕を掴んで、俺の家から追い出した

家に一人なってすぐに後悔をした

彼女の今にも泣き出しそうな顔が頭から離れない

もしかして俺は早とちりをしたのか?
彼女と義理兄の電話内容は聞いていない

もしかして彼女は縁を切ろうとしていたのかもしれない

中途半端な別れは想いを引きずるだけだから

わからない
俺は間違っていたのか?

もし間違っていたのなら、俺は彼女にたいし酷い言葉を浴びせてしまった

確認する方法は一つだけ
彼女に直接聞かないと

俺は家を飛び出た

エレベータは下に向かっている

俺は胸が痛かった
俺が間違っていた

無理やり追い出して、本当に彼女が義理兄のところに行ってしまったら

でも彼女はマンションのエントランスで苦しんでいた

外に出られないのに、俺に出て行けと言われた

俺が彼女の戻るべき場所を、喪失させてしまった

気がついたら俺は彼女を強く抱きしめていた
そして必死に引きとめていた

そこをスクープされた
新聞の内容には驚いた

確かに俺の一方的な感情によるものだったけれど…ちょっと大袈裟だったよ

でもスクープには感謝してたんだ

彼女と付き合うきっかけをくれたんだから
俺一人だけだったら彼女と付き合う関係までにはいかなかったと思う
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