わがままモデル王子は甘い香り
よくまあ
いろんな情報を集めてくるよなぁ

微妙にあってるから反論もできねえし

マスコミの執念にはまいるよ

「俺は浮気はしてねえっつうの!」

雑誌をテーブルに投げると、俺は呟いた

事務所に届いた最新の雑誌の表紙には紫音が笑顔で立っていた

あれ?
あいつもタレントになったのか?

一之瀬ブランドの専属モデルだったんじゃねーの?

俺はまた雑誌を手に取ると、雑誌の見出しを眺めた

『一之瀬ブランドの顔 紫音の素顔にせまる!』

なんだ特集か

紫音の素顔ねぇ

俺は特集の記事を開いた

紫音のドアップや、撮影風景が映っていた

いつも付きまとっている海堂の姿はなかった

ま、彰吾も気をきかせたのか?

――紫音さん、恋人は?――
『料理上手な男がいますよー(笑)
お互いに仕事が忙しいので、会うとスパイスになりますよねぇ』

あいつがスパイスかよっ!

――モデルの桜嗣と仲良しとか?――
『飲み友達ですよ
仕事を一緒にするのが多いですからね』

――桜嗣にくらっとすることは?――
『ないですよ!
桜嗣は女嫌いですから
意外でしょ? 世間は女性問題多い色男ですからねえ
桜嗣が嫌いでも、あの顔じゃーねえ
女が放っておかないんでしょうね
いろんな女に振り回されますけど、ある意味、桜嗣は被害ですよね
騒がれるたびに、面白く読ませてもらってますけど』

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