わがままモデル王子は甘い香り
もしかして…?

あいつ…わざと特集を組んだ?

俺の素顔を話すために?


まさかな
そんなはずはねえか

俺は雑誌を閉じると、天井を見つめた

「ごめん、ごめん!
待たせた?」

社長が笑顔で事務所の応接間に入ってきた

「聞いて驚け!
桜嗣の過去が映画になるぞ」

「はあ?」

俺は社長の顔を見た

「桜嗣の本を読んで、映画の製作会社担当がぜひ映画にしたいってさ
公開は来年の春で…って
引き受けたけど、いいよね?」

「俺の意見が必要?」

「ううん」

社長は首を振ると、椅子に腰をおろした

「ま、そういうことだから
頭の片隅に置いておくように!
撮影にかかわることはないだろうけど
公開舞台挨拶とかには顔を出すようになると思う」

「わかりました」

映画かよ

どんな映画になるんだよ

嫌だなぁ
俺の過去がスクリーンに映るのかよ

< 95 / 114 >

この作品をシェア

pagetop