ドラゴン・テイル【外伝】
「私の知る限りでのウルさんを、お話ししますね」
部屋に入り、ウルに冷たい飲み物を出しながら、レナがそう切り出した。
ザイルでの竜の祭り、襲撃してきたモンスター、旅に出たこと、そして、ブラックドラゴンを倒した後に行方不明となっていたこと。
何故旅に出たのか、レナは分からないと言い、それ以上は何も言わなかった。
ただ、そのモンスター襲撃の時に一匹のドラゴンと出会う前までのウルが、極端に「ドラゴン」という種族を嫌っていたと言うことと、ウルが間違いなくザイル出身であること、魔術師だったことだけははっきりと分かった。
レナの口から明らかになる自分の過去。
所々は何となく分かる気がするが、旅に出たそもそもの理由は何なんだ……?
眉間に皺を寄せるような表情で考え込むウルを見ながら、レナが思い出したように呟いた。
「……記憶で思い出したのですが…、このグレイクレイの近くに「記憶の泉」と呼ばれる場所があるらしいですよ」
「記憶の泉?」
おうむ返しに言うウルに頷くレナ。
「何故そう呼ばれているのかは全く分かりません。昔は何かの言い伝えがあったらしいのです……。今では誰も立ち寄らなくなってしまった場所のようで、調べてみないと確かなことは何一つ分からないんですが……調べてみましょうか?」
そう問うレナに、ウルはすぐ頷いた。
「すまない、頼む」
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