花火
「俺の家でよかったら…行く?タオルぐらいならあるし。
あっ、なんも変なこととか考えたりしてないから安心して!」
顔を赤らめて必死に弁解する彼が妙にかわいくて。
私は小さくうなずいた。
私が持ち上げた金魚蜂を彼はそっと横から取って抱えた。
強かった雨は小雨になって私たちふたりの間を流れていった。
時々髪を掻きあげる振りをして彼の横顔をのぞきこんだ。
無邪気に笑うところは本当に子供みたく幼いけど、黙っているとやっぱり歳上の男の人なんだということに気づく。
知りたい。
彼をもっと知りたい。
どんなふうに怒って、どんなふうに哀しんで、どんなふうに愛おしむんだろう。
そしてその全てを与えてもらえるたったひとりになりたい。
不確かだった想いにあざやかな色がつく。