花火


「ここの2階なんだ。最近ひとり暮らし始めたばっかでまだかなり散らかってるんだけどね」


独り言のようにつぶやきながら、まだ慣れない手つきで彼は鍵を開けた。


ひとり暮らしには少し大きいくらいの広さの2LDK。


難を言えば、収納がないこてくらい。


プラスチックの衣裳ケースの上には入りきれなくなった服が無造作に積み上げられている。


テーブルの前に散らばったスポーツ雑誌を足でよけながら、彼は私に座るようにうながした。


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