花火
「もしもし?」
「お〜、ごめんなぁ、さっきメール返せなくて」
彼の低い声が胸の奥まで響いて心地がいい。
私は彼と電話をするとき、いつも軽く目をつぶった。
そうすと、彼が隣にいるような感覚を味わえたから。
「ううん。ごめんね、仕事忙しかった?」
「うん、でも今日で大分片付いてさぁ。
良かったよ、休日返上で働かなきゃなんないかと思ったし」
コップを取った音かな。ドアを閉めた音かな。
彼の話し声の後ろから聞こえてくるもの音から、今の彼を想像する。