キス友。
「美空」
「何?」
登校して席に着くと、奏太があたしに話し掛けてきた。
「悪ぃんだけど、数学の課題見してくんねぇ?」
「いいよ」
あたしは机の中に手を入れ、課題を探し奏太に渡す。
「サンキューな」
奏太は自分の席へと戻っていく。
「…あーら、美空。
三島くんといい感じ?」
「那奈!!
奏太とはそんなんじゃないよ」
那奈はいつもあたしと奏太をからかう。
「そー?
超いい感じに見える」
「見えない見えない」
那奈さえ知らない、奏太とあたしの関係。
それを知らせるキッカケさえ、ないのだけど。