また君に恋をする
   




「待ってや。」


後ろから叫ぶ那智。
   
「すぐ済むから。」

振り向く仁。
   

「何?」
   
「これ。」


仁に指輪をつきだす。
   



「こ…これ返しにきただけやから。」



どもる那智。
   

「返さなくてもいいよ。それはお前にあげたもんだから。」


受け取ろうとしない仁。
   

「返すわ。うちも持ってる意味ないし。仁が捨ててや。」


仁の手に無理やり指輪をわたす。
固まったままの仁。
   
「ほな。今までありがとう。」

仁に背を向け走り出す那智。
その目には涙を溜め。

   





「仁。」



仁の名前を呼ぶ。
指輪を見つめ動こうとしない。

   
「仁。」


もう一度仁を呼ぶ斗真。
振り返る仁。
頬には涙がつたい。
溢れ出す涙。





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