それでも君が好きだから
失った記憶


次に目が覚めたのはベッドの上だった。

「…う…ん?」

「沙羅!?良かったぁ!!!」

「お母…さん?ここは?」

私、死んだハズじゃ…。

てか、ここどこ?

「沙羅。ここ病院よ」

「病院?」

「そうよ。今、お医者さん呼んでくるわね」

病院。

そっか、私…柚子に刺されて。

「生きてる」

良かったぁ…。

生きてる、という実感が身体を駆け巡る。

「沙羅さん。どこか変な所はありますか?」

「いいえ。何も」

ピンピンしてます!

「…」

「先生?」

「お母さん。ちょっと良いですか?」

「は、はぁ」

何だろう急に…。

おっさん真面目な顔しちゃって。

「えぇ!!?」

ビックリしたぁ…。

何その驚き方…もしかして…。

「沙羅!ちょっと聞きたい事があるの…」

かなり焦った顔でお母さんが私に聞く。

「なぁに?お母さん」

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