それでも君が好きだから
「あんた…生意気なの、分かる?」

「っ…はぁ……っ」

既に意識は朦朧としてる。

「っ…私…後悔、して…な、いよ…」

「今は、ね」

「っ…うう…」

ウーウーウーウー

パトカーがサイレンを鳴らしてこっちに向かってくる。

良かった、誰かが通報してくれたんだ。

「え!?何で!?」

「はぁ…は、ぁ」

車から警察が出てくる。

柚子が取り押さえられる。

「離せよ!っおい!!」



蓮…。

力を振り絞って携帯を取り出す。

指を動かすたびに痛みが走る。

そして。

「蓮…?」

『沙羅!!?今日、学校行けなくてごめんなぁ。俺、今日…「痛い…っ」…え?』

蓮…痛いよ…。

『沙羅?どうした?』

「刺されたの…」

『刺された…?』

「…柚子に…ナイフで…」

―――瞬間。

「ううっ…うっ―――!!!」

痛い、痛いっ!!

もがいているうちに、電源を切ってしまった。

「大丈夫ですか!!?」

私の周りに人が集まる。

そこで、一気に意識が飛んだ。



蓮。

助けて。

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